暗号解読

暗号解読〈上〉 (新潮文庫)

暗号解読〈上〉 (新潮文庫)


暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)

暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)


とてもおもしろかった。

暗号といえば、ポーの「黄金虫」や、江戸川乱歩の「二銭銅貨」が思い出される。そこで描かれる手際よい暗号解読の手法に「作者が作った暗号なんだから、解けて当然じゃないか」と思ったものだ。

しかし、本書で描かれる暗号解読者、そして制作者たちは、解けるかどうかわからない暗号の解読に挑むし、解かれると非常にまずい情報を暗号化する。その背景には、国家の命運がかかってたり、財宝がかかってたり、なにもかかってないけど学術的な探求心があったりして、それがおもしろい。

そして現代。ネットでカードを使って買い物できるのも、暗号のおかげ。そして、より強力な、というよりは破ることができない量子暗号までを解説する。