卒業
- 作者: 重松清
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/11
- メディア: 文庫
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某社S部長のお薦めで読んでみました。
家族の死と、そこからの卒業をテーマとした小説の短編集です。
小学校とか中学校などを卒業してきました。その経験からすると、卒業というのは卒業式のことです。なんかとてもアホなことを言っているような気がしますが、気にせず続けます。
しかし、本書でいう「卒業」は、自分で何かにけりをつけること、と言っていい。なにも考えてないような女子高生が、「いつまでもバカやってらんないから」と次のステージに進んだように、けりをつける。
大人ともなれば、誰かが卒業式を企画してくれるわけではないから、何かを契機に、現状から卒業する。その契機が、肉親の死であることも、あり得る。
わたし自身は、まだ父母は健在ですが、本書収録の「めぐみのマーチ」のような親の死に目なら、ある意味、幸せかな、と思いました。たぶん、わたしの母も「かずなりのマーチ」を歌ってくれていて、ひょっとしたら今でも歌ってくれているのでは。たまに実家に行くと、そんな気がします。
というか、まだ生きてるんだから親孝行しないと!