高杉晋作 あばれ奇兵隊

高杉晋作―維新風雲録 あばれ奇兵隊 (1967年) (ペンギン・ブックス)

高杉晋作―維新風雲録 あばれ奇兵隊 (1967年) (ペンギン・ブックス)


なぜこんな古い本を読んだのか。東京駅前の八重洲地下街に古本屋さんがありまして、我がイーコスの専務が、そこで仕入れてきたそうです。それを借りました。

高杉晋作の物語を、講談風の軽妙な文体でさらっと述べた、という内容です。講談というと、創作もののお話のような気がしますが、著者によれば、講談とは本来、史実を語り継いできたものだった、とのこと。そこで、あえて講談の復活を目指し、この文体で高杉晋作を描いてみたと。

イーコスの専務は、晋作の師、吉田松陰の暴挙を止めるシーンが好きだ、といっていましたが、私は、イギリス・フランス・アメリカ・オランダの4カ国と戦争して負けた長州の代表として、敵艦に晋作が赴くシーンが大好きです。領地を租借させろ、と迫る連合軍に、日本書紀の話をし、それを伊藤俊介(後の博文)が訳す。新幹線の中で読んでいましたが、笑いをかみ殺すのに苦労しました。

司馬遼太郎は、「歴史の転換期には、時としてものすごく滑稽なことがおこる」とういようなことをたびたび言っていますが、これもそのひとつかもしれません。