西郷南州遺訓

西郷南洲遺訓―附・手抄言志録及遺文 (岩波文庫)

西郷南洲遺訓―附・手抄言志録及遺文 (岩波文庫)


まず、正直に白状しますが、半分もまともに読めません。最初の方はまだ読めますが、後半はほとんど漢文です。
その中でも印象に残ったところを抜き書き。

人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして、己を盡きて人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ぬべし。

命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕末に困るもの也。

西郷という人は、物欲が薄かったそうで、そのへんのエピソードもあります。懐の大きい、カリスマ性の高い人だったのでしょうか。

しかし、鳥羽伏見の戦いの際の、こういう話も収められています。
劣勢に立った官軍の一隊から、「援軍を」という使いが来たとき。西郷は「皆死せ、然して後援兵を送らん」と言ったそうな。
聖人君子では持ち得ない、凄みがあります。軍人というか、侍でもあったんでしょうね。