片足で

最寄りの駅で、コンビニ袋をカバンから取り出すと、ハトが4羽ほど飛んできた。餌をもらうためだ。いつものハトはいるかな、と探すと、やはりいた。

片足しかないので、すぐに見分けがつく。いったい、どういうわけで片足を失ったんだろうか。そのあたり、興味は尽きない。ハトの生き様も、決して楽ではないのだろう。

生き様か。ここで一つ、疑問がわいた。この片足のハトは、かなり前から、ここで見かけるんだけど、果たして同じハトなんだろうか。短くとも五年ぐらい前、下手すると七、八年ぐらい前から、彼はこの駅に居るはずだ。ハトって、そんなに生きるのかな。ひょっとして、二、三世代にわたって、片足のハトがいて、全部同じやつだと思ってしまっているのかもしれない。

帰宅して、ネットで検索してみると、飼うと10〜20年は生きるそうだが、都会の野生ハトは3〜4年というところらしい。

やはり代替わりしているのだろうか。そうだとすると、片足のハトっていうのはあまり珍しくないということか。しかし、この駅、乗降客がハトに餌をやることが多いので、ひょっとしたら、たまたま長生きしているのかもしれない。片足でかわいそう、ということで、餌をもらう確率も、他のハトから比べると高いかもしれないし。

わたしがコンビニ袋から取り出したのは、食べ物ではなくボールペンだったので、ハトたちはしばらくすると、去っていった。