ブッダのことば―スッタニパータ

ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)

ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)


仏教ってなんだろう? たとえば、禅宗も念仏宗も仏教ということなんだけど、この二つの宗派の教義は全く異なっているように思う。やったことないから、詳しくはわかりませんが。

様々な宗派があって、それぞれの宗派はまったく違う教えで、でもみんな「私は仏教です」と言っている。一体、なぜなのか。ならば、原典にあたってみよう、ということで、この本を読んでみました。

内容は、仏教最古の教典であるスッタニパータを、著者が訳したものです。この中で、釈迦は「執着を捨てろ」ということを繰り返し述べています。様々な欲望を捨てる。自分の肉体への執着をも捨てる。

これを進めると、究極的には、命を捨てることになるのではないか。そういう気さえするのですが、「執着を捨てると、楽しいよ」ということを釈迦は何度も述べているので、生きることを捨てる、ということではなく、楽しむことができるのでしょう。それがどういう状態なのかは、想像もつきませんが。

最初のころの仏教は、実践は困難だ、というのが感想です。だからこそ仏教は、様々な解釈が生まれ、発展していったのでしょう。

また、最初のころの仏教が、シンプルなところは気に入りました。執着を完全に捨てることが困難だとしても、せめて減らしていく方向でひとつ、と思いました。