これでいいはずはない

仕事がら、食品廃棄物の発生現場を拝見したり、それをリサイクルする現場を拝見したりする機会が多いんですが、日々、大量の食べ物が廃棄されるのを目の当たりにすると、「これでいいのかな」という疑問が涌いてきます。

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飛躍しますが、人類の歴史とは、ある面では、飢えから逃れるための歩みでもあったんだろうと。わたしは日本史が好きで、特に中世から戦国時代にかけての本を読んだりするのですが、この時代は米の不作が多く、常にどこかの地域で飢饉が起こっていたようです。このため、出稼ぎの場として庶民が戦を必用とした、という研究結果も、近年では報告されています。食えないから戦に出て略奪してくる、そういう凄まじい時代を経てきたわけです。

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そして、現代日本は、ありあまるほどの食品を供給することによって、ほぼ飢えというものを克服したといえます。「飽食」と表現されるようなこんな時代は、長い人類史においてかつてなく、命をかけてまで食を求めなくても良いことに感謝しなくてはならないでしょう。

食べ物を粗末にしない社会システムを作り上げることもまた、我々の仕事なのだと、廃棄される食品を目の当たりにするたび、思います。