これが中国人だ!

これが中国人だ!―日本人が勘違いしている「中国人の思想」 (祥伝社新書 113)

これが中国人だ!―日本人が勘違いしている「中国人の思想」 (祥伝社新書 113)


今、二番目に興味がある国が、中国だ。一番目は日本。日本ほどおもしろい国も無いなと思うんだけど、それは本題ではないので置いておくとして。

たとえば、中国が、我が国の首相の靖国参拝に反対する。その反対の真意はどこにあるのだろうか。まさか、日本の軍国主義化を本気で恐れているわけではないだろう。外交のカードとして、靖国参拝を利用しているのだ。−−恐らく、多くの日本人はそんな風に思ってるんじゃないだろうか。

しかし、本書によれば、中国人は、日本国首相が靖国に行くたびに、日本の軍国主義化を本気で恐れるという(もちろん、一部の指導者層は、カードとしても利用しているんだろうけど)。その中国人の心情を理解するには、中国の歴史を紐解かなければならないとして、春秋戦国時代漢民族の思想から、本書は解説する。

古くから、たびたび異民族の侵攻を受けてきた漢民族にとっては、他国に支配されるというのは、決して歴史の中の出来事ではないのかもしれない。思えば、日本は他国の支配を受けたのは太平洋戦争後の一時期ぐらいで(それとて「侵略」されたわけではない)、そもそも領土を侵す、あるいは侵されるということに対して、実感が湧かないのだろう。

著者が触れているように、明治維新後の日本が西洋列強を理解しようとしたぐらいの努力を、中国に対してもはらわなければならないんだろうな。